出かけてまいります [お知らせ]
今週末は、
更新はございません。
次回の更新は、
12月4日(水)
を、予定しておきます。
11月30日(土)から12月2日(月)まで
2泊3日かけて、
とある場所を徘徊したします。
例の如く、
そこで酒集めをしつつ、
その土地の歴史に触れ、
飲み食いする、
自己満足のみを追求する旅。
今のところ、
お天気は問題なし!
それではみなさん、
ごきげんよう!
え?
どこへ行くのかって?
【お酒】2295.太平洋 上撰 カップ [30.和歌山県の酒:19+]
製造者 尾﨑酒造株式会社
和歌山県新宮市船町3丁目2-3
清酒
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
アルコール分15度
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
尾﨑酒造さんのお酒は、昨日までに以下の物をいただいております。
【お酒】1235.純米吟醸 鯨えびす カップ
【お酒】2271.太平洋 生貯蔵酒 300ml
【お酒】2275.くまの那智の滝 180ml
【お酒】2283.熊野川 本醸造 300ml
【お酒】2292.潮岬 吟醸酒 300ml
【お酒】2293.熊野三山 吟醸酒 300ml
【お酒】2294.太平洋 カップ
手元にある尾﨑酒造さんのお酒は、
今日いただくこのお酒が最後の一つ。
昨日いただいた【お酒】2294.太平洋 カップと同じ、普通酒。
熊野川の伏流水仕込であることも同じ。
ですがこちらには、
“上撰”の小印が付されておりました。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、ごくかすか。
昨日いただいた太平洋カップよりも薄いね。
香りは、アルコール香をかすかに感じるのみ。
うまみはやや淡め。
酒臭さ(ほめ言葉:以下同じ)をほんのりと感じる程度。
米のうまみはかなり弱め。
苦みがあって、少しはっきりで鋭いですね。
キレはよく、透明感がバッチリ。
酸味はひかえめ。
すっぱさはゼロ。
けっこうスースー、ちょっとピリ。
甘みはややはっきり。
幅を感じるとともに、ちょっとべとつくかも。
やや淡麗で苦スースーちょいピリスッキリやや甘口のお酒でした。
味の基本は、【お酒】2294.太平洋 カップと同じだと思います。
ですがこちらの上撰カップのほうがうまみが弱く、ペラペラ感が少しありました。
それに苦みはこちらの方が目立つようでした。
あくまでも私の予想ですけれど、こちらの上撰カップのほうがアル添量が多めかつ加水量多めなのではないでしょうか?
私は断然、昨日いただいた【お酒】2294.太平洋 カップのほうが好みでございました。
【お酒】2294.太平洋 カップ [30.和歌山県の酒:19+]
製造者 尾﨑酒造株式会社
和歌山県新宮市船町3丁目2-3
清酒
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
アルコール分15度
内容量 180ml
(以上、ラベルより転記)
尾﨑酒造さんのお酒は、
熊野の地酒。
そのお酒は、一昨日までに以下の物をいただいております。
【お酒】1235.純米吟醸 鯨えびす カップ
【お酒】2271.太平洋 生貯蔵酒 300ml
【お酒】2275.くまの那智の滝 180ml
【お酒】2283.熊野川 本醸造 300ml
【お酒】2292.潮岬 吟醸酒 300ml
【お酒】2293.熊野三山 吟醸酒 300ml
今日いただくこの“太平洋”は、普通酒でした。
小印がないところから推察するに、佳撰クラスなのかな?
普通酒でも、
熊野川の伏流水仕込であることには変わりなし!
それではいただきます。
普通酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
香りかすかにあり。
酒臭い(ほめ言葉:以下同じ)香りと共に、アルコール香とを感じます。
うまみは濃いめ。
最初に酒臭さが来て、米のうまみがそれに続き、厚みをしっかりと感じます。
軽い苦みがあって、少し鋭いかな。
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はひかえめ。
すっぱさはゼロ。
でもけっこうスースー!
ピリはなし。
甘みはややはっきり。
べとつかずさらりとしてはいるものの、幅を少し感じます。
濃醇ちょい苦スースースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
うまみがかなりしっかりしておりましたよ。
それなのにキレがとてもよく、かつスースーが相俟って重さを全く感じませんでした。
ちょい苦でしたが、やや甘口といい感じに釣り合っているようでした。
うまいね!
かなりうまいんじゃないの!
例えるならば、“秀醇鉾杉 杉の子カップ”から熟成感を引いたような味わいでした。
これまでにいただいた尾﨑酒造さんのお酒の中では、オイラにとってはこれが一番好みの味でした。
海辺で造られる普通酒って、どちらかというと辛口でかつペラペラなものが多いように思うのですけれど、これはどっしりとしていてまったく異なる味わいでした。
それなのにキレがよく、これはアル添がうまく働いていると実感いたしました。
【お酒】2293.熊野三山 吟醸酒 300ml [30.和歌山県の酒:19+]
製造者 和歌山県新宮市船町三丁目一ノ三
尾﨑酒造株式会社
清酒 吟醸酒
内容量 300ml
アルコール分 16度
米(国産)、米こうじ(国産米)・醸造アルコール
原料米 山田錦100%使用
精米歩合 60%
(以上、ラベルより転記)
昨日に引き続き、今日も尾﨑酒造さんのお酒をいただきます。
昨日までに以下の物をいただいております。
【お酒】1235.純米吟醸 鯨えびす カップ
【お酒】2271.太平洋 生貯蔵酒 300ml
【お酒】2275.くまの那智の滝 180ml
【お酒】2283.熊野川 本醸造 300ml
【お酒】2292.潮岬 吟醸酒 300ml
今日いただくこの“熊野三山”ですが、昨日いただいた“潮岬”と同じくアル添吟醸酒。
品質表示もまったく同一でした。
お酒の能書きが瓶に書かれておりました。
“きれのある芳醇辛口な味わい”だってさ。
なお、箱には熊野三山の説明書きがありましたが、
老眼のオイラには読みにくいこと読みにくいこと!
それではいただきましょう。
吟醸酒ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、かすかに着いていることがわかる程度。
香りありますね。
盃に注ぐと、フルーティーな香りをかすかに感じます。
含むとそれがふんわりと穏やかに口の中で広がって、鼻へ抜けて行きます。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみにどっしり感があります。
山田錦らしい透明感は、わかんないわ。
苦みがあって、強くはないものの鋭いですね。
酒臭さはなく、熟成燗もなし。
キレはまあまあかな。
酸味はややはっきり。
すっぱさは弱めながらも鋭さを感じます。
けっこうスース―で、ちょっとピリ。
甘みはひかえめ。
わかるものの、かなり弱めです。
やや濃醇でちょい苦ちょいすっぱスース―ちょいピリ旨辛口のおいしいお酒でした。
米のうまみがどっしりとしており、飲み応えがございました。
ちょい苦ちょいすっぱかつちょいピリで、荒々しさを感じましたが、それらがどっしりとしたうまみとうまく調和しているようにも感じました。
けっこうスース―でしたが、これは望むところ!。酒飲んでる感が満載でした。
潮岬よりもこっちの方が濃くて荒々しく感じました。
これは海の魚に合いそうですね。
その熊野三山と合わせた今日のエサはこちら。
昨日の残りの奈良漬。
今日はどうしてもさんまかば焼き缶を食べたかったのでした。
そのさんまかば焼き缶は、今となっては超高級品!
オイラが大学生だった30年ほど前までは100円で買えたのに。
当時はそれをご飯の上に乗せて、うな丼を食べているつもりになっておりました。
さんまかば焼き缶を使って、さんまざく。
うざく(うなぎの蒲焼を使った酢の物)の代用食です。
おいしさは、30年前と変わらずでした。
たまご4個。
これでL玉だとよ、笑止千万!
出汁巻き卵(ねぎ入り)。
焼いたのち、アルミホイルに包んで冷ましてから切ったことで、水分の蒸発がなくしっとりと仕上がりました。
今日で賞味期限を迎えた死にかけの油揚げ。
みそ汁の具として使いました。
ごちそうさまでした。
【お酒】2292.潮岬 吟醸酒 300ml [30.和歌山県の酒:19+]
製造者 尾﨑酒造株式会社
和歌山県新宮市船町三丁目二-三
清酒 吟醸酒
精米歩合60%
アルコール分16度
内容量300ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
山田錦100%使用
(以上、ラベルより転記)
尾﨑酒造さんは、本州最南端の蔵元さん。
そのお酒は、かつて以下の物をいただいております。
【お酒】1235.純米吟醸 鯨えびす カップ
【お酒】2271.太平洋 生貯蔵酒 300ml
【お酒】2275.くまの那智の滝 180ml
【お酒】2283.熊野川 本醸造 300ml
今日いただくこの“潮岬”は、
アル添吟醸酒。
酒米の王様“山田錦”を100%使用しているんだってさ(でも産地は不明)。
話のネタがないので、いただきます。
吟醸酒ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ごくかすか。
上立ち香なし。
うまみはやあ濃いめ。
米のうまみに厚みをしっかりと感じます。
山田錦でありがちな透明感はかなり弱め。
酒臭さはなく、熟成感もなし。
苦みがあって、強くはないもののの、重さを少し感じます。
キレはまあまあかな。
酸味はややはっきり。
すっぱさは少し強めで鋭さ少し。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
ゼロではないものの、かなり弱め。
やや濃醇でちょい重ちょいすっぱちょいスー旨やや辛口のおいしいお酒でした。
うまみは米のうまみだけ。しかも厚みがあってどっしりしておりました。
苦みが少し重く、酸味の鋭さもあり、かつちょいスーで、やや辛口。
でもそれらが魚とバッチリでしょう。
まさに海のお酒。
スイスイと行けてしまい、あっちゅう間でございましたとさ。
できれば、刺身と合わせてみたかった。
そんな潮岬吟醸酒と合わせた今日のエサはこちら。
にんじん、きゅうり、大根。
塩昆布を使って、
塩昆布入り浅漬け。
塩昆布と酢、みりんとがいい感じでした。
奈良漬。
冷蔵庫の中で賞味期限を徒過したもの。
これは切っただけ。
しっかり漬かっていておいしい。
あたしゃ休日は、スーパーへの買い物は朝に行くのです。
なぜならば、混雑しているのがイヤだから。
でも朝行くと、お刺身は殆ど並んでいないのです。
それ故、魚を選ぶとなると、どうしても缶詰になってしまうのです。
さば缶野菜炒め卵とじ。
けっこうおいしい!
ごま油を使い、かつコショウ多めがいい感じでした。
ごちそうさまでした。
【お酒】2291.頼母鶴 TANOMOCUP [20.長野県の酒:158+]
株式会社小野酒造店
長野県上伊那郡辰野町小野992-1
清酒
アルコール分15度
原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)・醸造アルコール・糖類
180ml詰
(以上、フタより転記)
小野酒造店さんのお酒は、これまでに【お酒】2287.夜明け前 生貯蔵酒 300mlをいただいております。
今日いただくこのカップ酒。
ラベルには、ゲンジホタルの絵が描かれているようでした。
手印と品質表示とは、フタに記載がございました。
残念ながら、糖類添加の三増酒でした。
しかし、酸味料は添加されていないもよう。
それではいただきましょう。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
カップに鼻を近づけると、酒臭い(ほめ言葉:以下同じ)香りとアルコール香とをそれぞれごくかすかに感じます。
うまみはちょい濃いめ寄りのやや淡めでしょう。
米のうまみが先にフワッと来て、酒臭さがそれに続きます。
渋みがあって、軽めではあるものの鋭さを感じます。
キレはよいと思います。
酸味はひかえめ。
すっぱさはほとんどわかりません。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みははっきり。
幅があって、舌の上でしっかりと感じます。
でもべとついた感じはいたしません。
ちょい濃醇寄りのやや淡麗で、ちょい渋ちょいスー旨甘口のおいしいお酒でした。
糖類添加であるが故に薄っぺらいのかと思いきや、米のうまみと酒臭さとがやや淡めなりに効いていて、飲み応えを感じました。
甘口なのは残存糖類の影響かもしれません。
念のために書いておきますが、糖類は「調味のため」に添加しているだなんてことは、口が裂けてもけっして言ってはならぬのですぞ!
でもちょいスーでかつキレがよいので、クドさは感じませんでした。
うまいじゃん!
これってもしかして、この味が辰野町の皆さんに好まれているが故に、味を変えないために糖類添加を止められないっていうパターンのやつ?
ただし、燗が冷めるにつれて渋みが強くなってまいりました。
これは熱いうちにいただくべきお酒でしょう。
【お酒】2290.菊秀 純米酒 180ml [20.長野県の酒:158+]
製造者 信州佐久蔵元 橘倉酒造株式会社
長野県佐久市臼田六五三-二
清酒
内容量180ml
アルコール分15度
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
仕込水 八ヶ岳山系千曲川伏流水
原材料/長野県産米 100%
精米歩合/60%
醸造地/長野県佐久市
採水地/長野県佐久市
(以上、ラベルより転記)
長野県酒類販売(株)さんが企画した楽國信州シリーズ。
長野県へ行った際には、少しずつ入手させていただいております。
今日はその中から、橘倉酒造さんの“菊秀”をいただきます。
純米酒と表示されておりました。
橘倉酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】319.菊秀 蔵出し本醸造 樽酒 カップ
【お酒】595.橘倉酒造 樽酒 カップ
【お酒】821.菊秀(きくひで) 純米酒 180ml
【お酒】2282.本醸造 樽酒 カップ(菊秀?)
品質表示は、2か所に分かれておりました。
精米歩合60%なのに、“特別純米酒”なんて
(だな!)
それではいただきましょう。
純米酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、濃い茶色でした。
香りあります。
枯れた香りをフワリと感じます。
うまみは濃いめ。
かなり枯れていて、熟成感満載です。
軽い苦みを伴うものの、強くはないですね。
米のうまみというか、煎餅のような香ばしい風味を感じます。
キレはよく、スッと引きました。
酸味はややはっきり。
すっぱさは弱めですが、鋭さを感じます。
酸味自体の深みも少し感じます。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
弱めですが、存在はわかります。
濃醇枯ちょい苦ちょいすっぱちょい深ちょいスースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
かなり枯れていましたが、米のうまみというか、煎餅やあられのような香ばしいうまみがあって、けっしてペラペラではありませんでした。
しかも酸味の深みを伴うので、けっこうどっしりした味わいでした。
それなのにキレがよく、後味はスッキリしていて、しつこさを感じませんでした。
またちょい苦でしたが、これも程よくキレてくれるので荒々しくはありませんね。
これ、熟成酒の中でも、かなりうまい部類に入るんじゃないの?
純米の熟成酒には重くてしつこさを伴うものもありましたが、こういうキレの良いほうが断然うまいと思いますよ。
その味わいをアル添酒ではなくて、純米酒で成し遂げているところがすごい。
【お酒】2289.みやまさくら カップ [20.長野県の酒:158+]
製造者:株式会社古屋酒造店
長野県佐久市塚原411
品目;日本酒
アルコール分:15度
原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
内容量:180ml
(以上、ラベルより転記)
古屋酒造店さんの手印は、“深山桜(みやまさくら)”。
このことについて、文献に以下の記述がございました。
「『深山桜』は実在する山桜の品種名であり、皇女和宮(孝明天皇の妹。一度有栖川宮熾仁親王と婚約するが、江戸幕府の介入で破棄され、14代将軍徳川家茂に降嫁。:ブログ筆者追記)の行列が中山道を往った頃、弁財天の森を後ろに抱いて詠んだ「青葉まじりに みずみずしく咲く 深山桜」という句にちなんで名付けられた。」(※1)
でもね、別の文献には、「「青葉まじりに みずみずしく咲く 深山桜」という明治天皇の歌から名付けられたものという。」(※2)とありました。
そのせいか、ネット上での紹介も、ほぼ二分されているような状態でしたよ。
どちらが正しいのかは、私にはわかりません。
だってこんな句(歌)、知らんもん。
いずれにせよ、ラベルに描かれていた深山桜はたしかに、青葉まじりにみずみずしくございました。
品質表示はこちら。
普通酒でした。
話のネタが切れたところで、いただいてみたいと思います。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色はやや茶色がかっていて、透き通っておりました。
香りはなし。
うまみはやや濃いめ。
枯れていて、熟成感満載。
苦みを伴いつつ、米のうまみが続きます。
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はひかえめ。
すっぱさゼロ。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややはっきり。
幅を少し感じ、かつちょっとべとつくかも。
やや濃醇で枯苦ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
枯れているものの、米のうまみが続くのでけっしてペラペラではありませんでした。
苦みがあって荒々しさを感じたものの、甘みが和らげてくれているように感じました。
しかもキレがよく、アル添酒らしい透明感がありました。
私はおいしいと思いますよ。
米のうまみを感じ、アル添酒らしいキレのよさがある熟成酒。
けっして飲みやすくはなく、むしろ飲みにくいと思われる御仁もいらっしゃるかと存じます。
しかしそれでも私は、滋味深く感じました。
これは燗でいただくべきでしょうね。
(※1)『ようこそ日本酒の國へ』p.045(2014.5改訂 合同会社デザインファームアンドリゾート)
(※2)川崎史郎:文・小林敬一:写真『酒蔵で訪ねる信州』p.87(2008.5 信濃毎日新聞社)
【お酒】2288.あさ開 純米原酒 秋あがり うまkoi 300ml [03.岩手県の酒:62+]
製造者 株式会社あさ開
岩手県盛岡市大慈寺町10番34号
品目 日本酒
内容量 300ml
精米歩合 65%
アルコール分 17度
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
(以上、ラベルより転記)
“あさびらき
こぎ出て来れば 武庫の浦の
汐干の潟に 田鶴が声すも”
(万葉集 巻十五より)
の、あさ開。
あさ開さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】80.あさ開 アルミカップ アサビラキ(2回目はこちら)
【お酒】293.あさ開 本醸造生貯蔵酒 生缶(2回目はこちら)
【お酒】409.あさ開 サケカップ(紙カップ)
【お酒】412.あさ開 純米辛口 男の純米DRY
【お酒】565.あさ開 本醸造 昭和旭蔵 300ml
【お酒】731.あさ開 南部流寒造り 純米吟醸 180ml
【お酒】1804.あさ開 純米酒 Proto type M 300ml
【お酒】1806.あさ開 本醸造 岩手グリーン〈手〉
【お酒】1808.あさ開 本醸造 岩手ブルー〈岩〉
【お酒】2228.あさ開 純米吟醸 300ml
そのほかに、【お酒】2224.関山 本醸造 生貯蔵酒 300mlも、製造者はあさ開さんでした。
なーんてさ、
このようにかつて試したお酒の記事へリンクを貼っても、2,3か月後には完全に無駄になっちゃうんだけれどね。
みなさん、どないしはるんやろか?
閑話休題。
今日いただくこのあさ開は、
“うまkoi -旨濃-”だってさ。
純米の原酒で、かつ“秋あがり”だってさ。
蔵元さんのWebsiteでは、以下のように紹介されておりました。
「岩手県産米をつかって仕込んだ純米原酒を蔵の冷蔵庫でゆっくりと熟成させました。「旨み」がのった時期に加熱殺菌をし、アルコール度数17度の「濃い」ままを瓶詰した米の旨みを愉しめる純米原酒です。」。
秋あがりは、“ひやおろし”と同義でしょう。
しかもこのお酒、貯蔵と熟成とのちがい(期間の差?)こそあれども、どうやら、生貯蔵酒のようですね。
秋あがりやひやおろしは、むしろ生詰であることが多いのにね。
品質表示はこちら。
純米(アル添なし)の原酒(加水なし)だから、17度なのでしょう。
それではいただきましょう。
生貯蔵酒でしょうから、まずは冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
上立ち香はなし。
うまみは濃いめ。
米のうまみに重厚感があってどっしりとしております。
苦みがあって、少し強めで鋭く、かつ重い。
熟成感は、わからんな。
酒臭さはなし。
キレはそれほどでもない。
酸味はややはっきり。
すっぱさは少し強めで鋭さあり。
それに酸味自体の深みも感じます。
スーはなく、ピリもなし。
甘みはややはっきり。
べとつきはないものの、幅を感じます。
ちょい爽快で濃醇ちょい苦ちょい重ちょいすっぱちょい深旨やや甘口のお酒でした。
米のうまみどっしりで、酸味の深みも伴うので、飲み応えがありました。
熟成させたとありましたが、枯れた感じの熟成感はわかりませんでした。
苦みと重さとがあって、荒々しさも感じました。
甘みはそれらを和らげる役割でしょうけれど、そこまで甘くはありませんでした。
次に、燗で試してみました。
酒臭い(ほめ言葉:以下同じ)香りがフワリと漂ってまいりました。
酒臭さは、うまみにも出ています。
熟成感は、依然としてわからず。
苦みと重さとはそのまま。
キレはこっちのほうがよいみたいです。
酸味は、深みはそのままですが、鋭さが若干増すみたい。
甘みもこちらの方が増しているかも。
燗にしたほうがキレはよくなるものの、酒臭さが出てかなりしっかりしてまいりました。
ちょい苦ちょい重はそのままで、酒臭さをともなうので、けっして飲みやすくはないみたいでした。
でもキレに関しては、燗のほうがよいかも。
どちらがおいしいか?
どちらが飲みやすいか?
難しいところでございました。
面白いものの、けっして万人受けする味わいではないと思いました。
(遠回しな表現だな。)
というか、
あさ開って、たまにこういう“オモシロ酒”を世に送り出してきますね。
今回は盛岡へ行かずして入手することが叶いましたが、けっして目を離せない蔵元さんだと思います。
そのあさ開うまkoiと合わせた今日のエサはこちら。
パセリとにんじん(共にセリ科)とを使って、
いとこサラダ。
今日はごまを入れてみました。
パセリの青みとにんじんのうまみとに、ごまの香ばしさが絡んで来る。
味が複雑かつおいしくなりましたよ。
厚揚げを食べたかったので、
卵とじ。
予想通りのおいしさでした。
出汁をしっかりとれば、塩気が薄めでもおいしいね。
ごちそうさまでした。
あー、
なんか今日は、回るのが早いわ。
【お酒】2287.夜明け前 生貯蔵酒 300ml [20.長野県の酒:158+]
製造者 株式会社小野酒造店
長野県上伊那郡辰野町大字小野992
日本酒
アルコール分14度
米(国産)・米麹(国産米)醸造アルコール
内容量300ml
(以上、ラベルより転記)
小野酒造店さんは、辰野町小野の蔵元。
小野酒造店さんは、小野駅(辰野駅から塩尻側へ2駅目)の近くに蔵を構えているようです。
辰野駅や小野駅がある中央本線の旧線は、かつては大幹線たる中央本線の一部として特急や急行が走っておりました。
しかしそれは、岡谷駅からいったん南下して辰野駅へ向かい、そこから再び北上して塩尻駅へ向かうという冗長な線形(いわゆる大八廻り)でした。
そこで、1983年(昭和58年)に塩嶺トンネルが開通して岡谷-塩尻間が東西一直線に短絡されると、岡谷-辰野-塩尻間は支線扱いとなってしまいました。
さらに飯田線からの乗り入れがない辰野-塩尻間(小野駅を含む)は、短編成の普通電車が数本走るだけの超閑散区間となってしまったのでした。
今日いただくこのお酒は、“夜明け前”。
夜明け前は、言わずと知れた島崎藤村が書いた小説の題名。
なんでも、「「藤村の嫡男で初代藤村記念館理事長、故島崎楠雄先生より『夜明け前』を使用する許可をいただきました。『この名を使う以上は、命に代えても本物を追究する精神をお忘れなく』との約束を守り、酒を愛する人々へ、本当に美味い、本物の『酒』を造る。それが私どもの使命です」と蔵人は語る。」(※1)
ところで、“夜明け前”と言えば、冒頭の「木曽路はすべて山の中である。」が有名ですね。
藤村自身も、馬籠生まれとのことですし。
でも小野どころか辰野町は木曽地方ではなくて、伊那地方(上伊那郡)。
それなのに、どうして“夜明け前”を銘にしたのでしょうか?
このことについて、関わると思われる記述がございました。
「 旧街道の町並みを残す小野宿は、江戸時代の初めは中山道の宿場町だった。しかし、幕府内部の政争により十数年使われただけで現在の塩尻駅付近を通るルートに変更された。小野宿を通るルートは「初期中山道」と呼ばれる。」(※2)
ただし、「初期中山道(1601~1614)・三州街道の宿場町」(※1)とあるように、小野宿は、中山道から外されたあとも信濃から三河へ至る三州街道(伊那街道)の宿場町として存在し続けたようです。
すなわち、小野は、江戸初期の十数年間だけ、中山道で木曽へ向かう際の入口としての役割を果たしたこともあったってことね。
それにしても、
小野・辰野は、
塩嶺トンネル開業によって中央本線の幹線ルートから疎外された
のみならず、
江戸時代にも中山道から外されていた
のですね。
そんな大幹線から2度も外されるという憂き目を見て来た辰野町の小野地区。
そこに蔵を置く小野酒造店さんの“夜明け前”を、今日はいただきますよ。
今日いただくこのお酒は、普通酒(特定名称の表示がないお酒)の生貯蔵酒。
話のネタが切れたところで、いただきましょう。
生貯蔵酒ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
盃に鼻を近づけると、フレッシュな風味をフワリと感じます。
含むとそれが広がりますが、それとともにラムネのような香りもかすかに感じます。
うまみはやや濃いめでしょう。
米のうまみに厚みを少し感じ、どっしりしています。
苦みがあって、少し強めで鋭さを感じます。
酒臭さはなし、熟成感もなし。
キレはよいですね。
さんみはややひかえめ。
すっぱさはかなり弱め。
でも酸味自体の深みを少し感じます。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややはっきりでしょう。
かなりサラリとしていますが、それでも幅を少し感じます。
爽快やや濃醇でちょい苦ちょい深ちょいスー旨やや甘口のおいしいお酒でした。
生貯らしいフレッシュな風味とラムネっぽい風味をかすかに感じるのとで、爽やかでした。
米のうまみがどっしりしておりましたが、酒臭さや熟成感がないので飲みやすく感じました。
ちょい苦でしたが突出することはなく、しっかりしたうまみと釣り合っているようでした。
ちょい深は乳酸でしょうか?、でもきっと速醸酛でしょうけれど。
甘みはじんわりと効いていて、しつこさを感じませんでした。
爽快でしっかりしつつも飲みやすく味の要素のバランスがよい冷酒。
これは濃い味付けをした山の物に合うように感じました。
その夜明け前生貯蔵酒と合わせた今日のエサはこちら。
もやし、キャベツ、ちくわ。
ごま酢和え。
いりごまとすりごまとを併用したことで、ごまの風味が香りとしても味としてもしっかり感じられるようになりました。
豚ロース肉(アメリカ産)としょうがとで、生姜焼きを作る魂胆なのですが、
あたしゃしょうがはすりおろさずに、賽の目に刻んで使います。
アメリカ産豚肉は中途半端に焼くと固いけれど、焦げ目が着くまで焼けばホロっと崩れるような食感になりますね。
その肉と共にしょうがの粒を噛むと、しょうがの香りが口の中で弾けるのでした。
ごちそうさまでした。
(※1)『ようこそ日本酒の國へ』p.074(2014.5改訂 合同会社デザインファームアンドリゾート)
(※2)朝日新聞長野総局編著『信州の日本酒と人』p.172-173(2018.10 川辺書林)