【お酒】2261.金陵 純米吟醸酒 日本酒水族缶 せとのあお [37.香川県の酒:5+]
●製造者:西野金陵株式会社+T
香川県仲多度郡琴平町623番地
●品目:日本酒
●内容量:180ml
●原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)
●原料米:オオセト(香川県産)100% 精米歩合:58%
●アルコール分:14度以上15度未満
(以上、缶の印刷事項より転記)
西野金陵さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】105.金陵 本醸造 ハンディグラス180ml
【お酒】596.金陵 超辛口 カップ
【お酒】756.金陵 マイルドカップ
【お酒】917.金陵 ハンディグラス・L200
【お酒】920.金陵 上撰 お燗瓶 180ml
【お酒】2247.金陵 淡麗辛口 生貯蔵酒 180ml
今日いただくこのお酒は、純米吟醸。
“日本酒水族缶 せとのあお”だってさ。
品質表示はこちら。
香川県産の“オオセト”なるお米を100%使用しているんだってさ。
え?
“オオセト”って?
どんな米なのかって?
オオセトについて文献にあたってみたところ、
以下のことがわかりました。
オオセトは、「昭和41年農林省中国農業試験場において奈系212(農林22号×藤坂5号)を母として関東77号(後のコチカゼ)を父とし,人工交配を行い,(中略)昭和54年より農林257号,品種名を「オオセト」として登録され,香川県で奨励品種として採用されて普及に移されることとなった。」(※1)というお米とのこと。
昭和41(1966)年からはじめて昭和54(1979)年に品種登録って、育成に13年もかかったお米だったのですね。
それに香川県で奨励品種に指定されて以来、今日まで40年以上も使用されているということは、香川県での酒造りにかなり好適であるという証でしょう。
なお、お米の父(花粉親)・母(種子親)については、こちらをご参照下さい。
“オオセト”の名は、「瀬戸内地方に広く適する大粒品種の意」(※2)なのだとか。
そしてこのオオセトは、酒造好適米として育成されたものではなく、「炊飯用と酒造原料用の兼用種として育成されたもの」(※3)なのだそうです。
その経緯については、ここでは割愛。
しかもこのオオセト、(※2)にもあるとおり、「玄米の粒型は中で粒大はかなり大きく」(※1)なる一方で、「心白の発生はほとんどない。」(※1)のだとか。
「心白とは、米の主成分であるデンプンの組織が軟らかく、密度が薄くなって、白く結晶したように見える部分をいう。米の中心部が軟らかいと、麹菌が繁殖する際に奥まで菌糸を伸ばして、しっかりした麹を造ることができる。つまり、心白のある米の方が糖化力のある良い麹が造りやすい。」(※4)と言われていることから、麹を造る麹米には欠かせない特性であると、一般的には言われております。。
一方で、「オオセトは,玄米に心白の発生はわずかで,いわゆるもと米としては適していないが,かなり大粒であることから,かけ米としての用途が考えられ,その適性について期待がもたれた.(中略)オオセトは,白米の吸水率がやや低く吸水時間をやや長く必要とし,また,蒸米の吸水率もやや低く消化性はやや低いが,他の特性も含め,醸造原料米としてほとんど問題がないと判定された.」(※5)そうです。
なお、(※5)には“もと米”とありますが、麹米は酛(もと:酒母ともいう)を造る原料ともなることから、おそらく麹米と同義で使用しているものと推察いたします(しかし正確には、もと米は“酛を造るときに加える麹菌の付いていない米”という意味でしょう)。
また“かけ米”とは、麹と酛(酒母)とともに「蒸し後放冷して直接もろみに仕込まれる米」(※6)のことで、造りに使われるお米全量のうち、「全量の約70%を占め」(※6)るお米です。
さらにオオセトは「白米の粗蛋白含量が少なく」(※7)とのこと。
「日本酒に含まれるアミノ酸のほとんどは,原料米のタンパク質が分解されて生じたものです。適量でバランスがよければ旨みや味わいとなりますが,多すぎると雑味となってしまいます。酒造では,タンパク質が多いと吸水性が低下し,酵素による蒸米の消化が悪くなることがあります。(中略)このため酒米は,低タンパク・低脂質がよいとされます。」(※8)とあるとおり、この点も醸造用のお米として向いているところなのでしょう。
でもでもでも、
今日いただくこの“せとのあお”は、オオセト100%使用!
ということは、かけ米のみならず、もと米、そして麹米にもオオセトを使用しているということでしょうな。
察するに、オオセトが育成された20世紀の頃と比べて、今日では酒造技術が格段に進んでいることでしょう。
それ故、たとえ心白が少ないオオセトであっても、もと米や麹米として利用することが技術的に可能となったのではないでしょうか?
そんなことを考えつつ、いただいてみたいと思います。
純米吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、無色透明でした。
上立ち香はなし。
含むと、フレッシュな風味を少し感じるのみ。
うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
米のうまみに淡めなりに厚みを感じます。
吟醸酒にありがちな苦みがあって、鋭いというよりも少し重い。
熟成感はなく、酒臭さもなし。
キレはよく、スッと引きます。
酸味はややはっきり。
すっぱさが少し強めで鋭さも少し。
ちょいスーですがピリはなし。
甘みは、ややひかえめ、否、ちょいはっきり(だと思う)。
幅はなくサラリとしており、かつ弱めではあるものの、おし味(酒類を飲み込んだ後,または吐き出した後に感じる味をいう.あと味にごく味があってしっかりした感じの場合におし味があるといい,(以下略)(※9))の如くじんわりと感じます。
ちょい爽快のやや淡麗でちょい重ちょいすっぱちょいスースッキリ旨口のおいしいお酒でした。
爽やかさ少しあって、やや淡麗で口当たりはよい感じ。
それをちょい重の苦みと酸味とが引き締める。
でもキレがよくてスッキリしており、かつ弱めながらも甘みが味を和らげているようでした。
これはうまいね。
味の要素がやや複雑ながらも、いい感じにまとまっているようでした。
ただ、オイラはどちらかというと甘みに敏感すぎる傾向があることから、人によってはやや辛口に感じることもあるかもしれません。
伊吹島産のいりこをかじりながらいただいてみたかったところでございました。
(※1)篠田治躬『水稲新品種「オオセト」の解説』p.503(農業技術 34巻11号 p.503-504 1979.11 農業技術協會)
(※2)『オオセト(品種解説シリーズ)』p.46(稲の新品種:水稲昭和54~62年度陸稲昭和40~62年度 p.45-51 1989.3 農林水産技術情報協会)
(※3)篠田治躬・藤井啓史・鳥山国士・関沢邦雄・山本隆一・小川紹文・坂本敏『水稲新品種「オオセト」の育成について』p,1(中国農業試験場報告.A.作物部 p,1-18 1980.3 農林省中国農業試験場)
(※4)松崎晴雄『日本酒をまるごと楽しむ!』p.54(2007.1 新風舎)
(※5)(※3)p.13
(※6)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.43(1997.10 灘酒研究会)
(※7)(※1)p.504
(※8)副島顕子『酒米ハンドブック 改訂版』p.5(2017.7 文一総合出版)
(※9)(※6)p.269
【お酒】2260.純米安曇野 300ml [20.長野県の酒:158+]
製造者/福源酒造株式会社
長野県北安曇郡池田町大字池田二一〇〇
名称/清酒
原材料名/米(国産)・米麹(国産米)
精米歩合59%
アルコール分15度
保存方法/冷暗所保管
内容量/300ml
(以上、ラベルより転記)
安曇野は、北アルプスの麓で、北アルプスを水源とする複数の川によって形成された扇状地。
その安曇野の池田町に蔵を置く福源酒造さんのお酒をいただきます。
福源酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】976.北アルプス 辛くち 300ml
【お酒】2070.北アルプス カップ
【お酒】2075.ふくげん 純米原酒 熟成酒 300ml
今日いただくこのお酒は、
“純米安曇野”だってさ。
熟成酒。
“ほのかな黄金色は熟成の証”なんだってさ。
品質表示はこちら。
それではいただきます。
純米酒ですし、熟成酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、もちろん!
“ほのかな黄金色は熟成の証”
上立ち香は、盃に鼻を近づけるとかすかに枯れた香りを感じる程度。
うまみはやや濃いめ、否、ちょい濃いめでしょう。
最初に熟成感が来ますが、角や荒さはまったくなく、かつかなり穏やかです。
米のうまみがそれに続き、煎餅のような香ばしさをかすかに感じます。
酒臭さはなく、苦みや雑味もまったくなし。
キレはよいですね。
酸味はややひかえめ。
すっぱさはわかるものの、かなり弱め。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややはっきり、否、ちょいはっきりかな。
かなりサラリとしていて前には出てこないものの、じんわりと感じます。
ちょい濃醇で枯ちょい香ばしちょいスースッキリ旨口のおいしいお酒でした。
枯れているけれど、ものすごく穏やか。
角や荒さ、重さや雑味はまったくなし。
しかも米のうまみもしっかりしていて、けっしてペラペラではない。
煎餅のような香ばしさがあったところが面白かった。
しかもちょいスーでキレがよく、後味スッキリ。
かなりうまいね。
穏やかで軽やかな熟成酒でした。
その純米安曇野と合わせた今日のエサはこちら。
ちくわときゅうり。
梅和え。
予想どおり。
しめじと玉ねぎ。
卵3個。
オムレツ。
具が多すぎた!
でも味はこれも予想どおり。
“ほのかな黄金色は熟成の証”(もうええわ。)
【お酒】2259.宮の雪 淡麗純米 生貯蔵酒 300ml [24.三重県の酒:22+]
製造者 株式会社宮﨑本店
三重県四日市市楠町南五味塚九七二
清酒 純米酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 麹米60%、掛米65%
アルコール分 13度
内容量 300ml
(以上、ラベルより転記)
三重県四日市市に蔵を置く宮﨑本店さん。
清酒よりも、むしろキンミヤ焼酎(亀甲宮焼酎)でお馴染みだと思います。
一方で、清酒の手印は“宮の雪(みやのゆき)”。
その宮の雪、
これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】154.宮の雪 特選 マイペット カップ
【お酒】440.宮の雪 本醸造 極上 270ml
【お酒】815.宮の雪 お燗瓶
【お酒】1449.宮の雪 本醸造 極上 しぼりたて生酒 300ml
およそ6年ぶりの宮の雪は、
“淡麗純米”なる生貯蔵酒でした。
品質表示はこちら。
度数が13度と低めの設定ですね。
こういう、度数を低く設定して飲みやすくしたと思われる冷用酒って、数年前まではアル添酒が主流だったように思いますよ。
だって、アル添酒のほうが軽さやキレのよさを出しやすいでしょうから。
これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか。
でも、ここにも、純米化の波は確実に押し寄せつつあるのですね。
そりゃ、世間様が純米化をお求めになるのですから、蔵元さんとしてはそれに応えるのは当然でしょう。
もっとも、その世間様を構成する人間一人ひとりが、誰かの受け売りではなくて、アル添酒と純米酒とのちがいを熟知し熟考なさったうえで純米化を希求するという結論に至ったのかどうかは、非常に疑わしいところですけれど。
果たしてこういう純米酒は、どのような方法で飲みやすさを表現しているのでしょうか。
それを確かめるべく、いただきましょう。
生貯蔵酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ごくかすかでした。
香りはなし。
含むとフレッシュな風味を少しかつ穏やかに感じます。
うまみはやや淡めですが、しっかりしています。
米のうまみに、淡めなりに厚みを感じますよ。
予想してはおりましたが、苦みがあって、強くはないものの鋭さを感じます。
酒臭さなし、熟成感もなし。
キレはそれほとでもなく、特に苦みが残ります。
酸味はややひかえめ。
すっぱさは弱いものの、鋭さを感じます。
スーはなく、ピリもなし。
甘みはひかえめ。
というか、ゼロですね。
ちょい爽快のやや淡麗でちょい苦旨辛口のおいしいお酒でした。
淡めではあったものの、米のうまみしっかりで飲み応えがありました。
爽やかさがあってやや淡めでしたが、キレはそれほどでもないみたい。
苦みがあって、これは宮の雪シリーズに共通する味わいだと思いますが、キレがそれほどでもないせいか、ちょっとしつこさを感じてしまいました。
一方で意外にも辛口で、キリッと引き締まっていたのはうれしいところでした。
キレがそれほどでもなかった点は、きっとアル添酒であれば克服できたのではないかと推察いたしますよ。
その宮の雪淡麗純米生貯蔵酒と合わせた今日のエサはこちら。
ピーマンが安かったので、
ごま酢和えにしてみました。
茹で時間を30秒としたことが功を奏し、苦みは消えたものの青みとシャキシャキ感とがしっかりで、おいしくいただけました。
もやしと豚肉。
卵1個を使って、
マーミナーチャンプルー。
シャキシャキで、かつ塩加減絶妙!
今までで一番の上出来でした。
ごちそうさまでした。
【お酒】2258.あやきく 180ml [37.香川県の酒:5+]
製造者 綾菊酒造株式会社
香川県綾歌郡綾川町山田下3393番地1
品目 日本酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
アルコール分 15度
内容量 180ml
(以上、瓶の印刷事項より転記)
綾菊酒造さんのお酒は、一昨日までに以下の物をいただいております。
【お酒】2338.綾菊 豆狸(まめだ)カップ
【お酒】2254.國重 吟醸 300ml
【お酒】2257.綾菊 あやカップ
今日いただくのは、平仮名の“あやきく”。
豆狸(まめだ)カップやあやカップと同じ普通酒。
度数はあやカップと同じく15度台でした。
ということは、あやカップと同じ中身なのでしょうか?
いただきましょう。
普通酒ですので、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、あれ?
聞いてないよー、じゃなかった。
着いてないよー!
香りは、鼻を近づけるとアルコール香をかすかに感じるのみ。
うまみは、意外にもやや淡め。
でも米のうまみが淡めなりに効いていて、厚みを少し感じます。
熟成感はごくかすか、酒臭さはなし。
苦みや雑味はゼロですね。
キレはよく、スッと引きます。
酸味はひかえめ。
すっぱさはかなり弱め。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややはっきり。
サラリとしているものの、幅を少し感じます。
やや淡麗でちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
豆狸(まめだ)カップやあやカップで感じた酒臭さはゼロで、雑味ゼロ。
しかもやや淡麗と来やがった!
米のうまみだけをしっかりと感じることができるので、カップ酒2種よりも口当たりがよい。
それにキレよく、後味スッキリ。
カップ酒2種とは異なる味わいの、かなりおいしいお酒でした。
もちろん、カップ酒2種もおいしかったけれど、こっちはさらにそれらを凌駕するおいしさ。
もしかして、これが上撰クラスなのかな?
【お酒】2257.綾菊 あやカップ [37.香川県の酒:5+]
製造者 綾菊酒造株式会社
香川県綾歌郡綾川町山田下三三九三番地一
日本酒
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
アルコール分15度
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)
綾菊酒造さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】2338.綾菊 豆狸(まめだ)カップ
【お酒】2254.國重 吟醸 300ml
今日いただくのは、
あやカップ。
品質表示はこちら。
同じく普通酒の豆狸(まめだ)カップよりも、度数が一度高いようでした。
それではいただきます。
普通酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
香りはなし。
うまみはやや濃いめ。
最初に酒臭さ(ほめ言葉;以下同じ)が穏やかに広がります。
米のうまみがそれに続きます。
軽い渋みをちょっとだけ感じます。
熟成感もあるみたいですけれど、ぼんやりでわかりにくい。
キレはよく、スッと引いて透明感がバッチリでした。
酸味はひかえめ。
すっぱさはゼロ。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みは、これはややはっきりでしょうね。
ちょっとべとつく感じがありますが、クドさはなく、幅を少し感じます。
やや濃醇でちょい枯ちょいスースッキリ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
酒臭さくて、熟成感もあって、口当たりはそれほどでもない。
甘みも少しべとつく感じがありました。
それでもキレがとてもよくてスッキリで、アル添酒らしい透明感バッチリ。
これ、まちがいなくアル添の効果でおいしくなっていると、あたしゃそう信じたい。
たとえ最後の一人となってもアル添酒を支持し続ける覚悟のオイラには、そう思いますよ。
だって、かつて小沢昭一が、“ボクらの時代(2010/05/23)”で言っていたんだから。
「世の中がみな『よし!』としていることに反対していれば、まちがいはない。」ってさ。
また、豆狸(まめだ)カップとの差は、濃さ、すなわち加水量のちがいじゃないのかな?
あくまでも、ワタクシの予想ですけれど。
あ、そうそう。
飲み終わってから気づいたのですが、
ラベルの裏には、
“愛 感謝”だってさ。
【お酒】2256.國稀 上撰 カップ [01.北海道の酒:10+]
製造者 国稀酒造株式会社
北海道増毛町稲葉町1丁目17番地
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
原料米 北海道産 吟風 100%
アルコール分15.5%
180ml
(以上、フタより転記)
「1882年(明治15年)創業。明治後期には利尻島や礼文島にも酒造蔵があったが、現在では、この國稀の本間酒造が、日本最北の造り酒屋となっている。しかも、創業以来ののれんを守っている蔵としては、道内きっての老舗。」(※1)という、国稀酒造さん。
“本間酒造”とありましたが、もともとは“丸一本間合名会社”という商号かつ会社組織であったのが、平成中期に現在の国稀酒造株式会社へと商号及び組織を変更なさったのだとか。
今日いただくのは、國稀上撰カップ。
実はこの國稀上撰カップ、
かつて一度いただいております。
【お酒】2208.国稀 上撰 カップ
しかし、前回とは異なる点が2点、ございました。
1点目は、カップの形状。
前回はこんな感じ。
このくびれのあるカップ、かつては使用していた蔵元さんが少なからずございました。
でも昨今では、どこの蔵元さんでも急速にその使用をやめておられますね。
この國稀とか、鶴齢とか。
(それだけかよ!)
もしかしたら、メーカーが製造を中止したのかな?
(調べていないのかよ!)
次に、品質表示が異なりました。
今回頂いたこのお酒には、使用米の表示がございました。
北海道産の“吟風”を100%使用しているのだそうです。
吟風は、1998年に北海道で育成された「北海道2番目のオリジナル酒米。北海道で待ち望まれた心白発現率の高い酒造好適米となった。」(※2)そうですよ。
以上です。
(今日は手抜きかよ!)
話のネタが尽きたところで、いただきます。
普通酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し茶色がかっておりました。
香りは、鼻を近づけると、枯れた香りと共にアルコール香とを、それぞれ少しずつ感じます。
うまみは濃いめ。
最初に熟成感が来ますが、角や荒さは感じません。
米のうまみが続き、厚みを少し感じます。
軽い渋みがあるものの、かすかですが、冷めると少し強くなるみたいです。
キレはよく、透明感を少し感じます。
酸味はややひかえめ。
すっぱさはわかるものの弱め。
冷めると少しわかりやすいかも。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
弱めながらもわかるものの、食事と共にいただくことでわかりづらくなるみたいです。
熟成感にも負けているかもしれません。
濃醇枯ちょいスースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
熟成酒で枯れた感じがはっきりしておりましたが、角や荒さはなく、軽い渋みを少し感じる程度でした。
それでいて米のうまみも感じたことから、けっしてペラペラではありませんでした。
さらにキレがよいので、後味はスッキリしておりました。
うまいね。
熟成酒とアル添とのいいとこどり。
ただし冷めると渋みと酸味とが出てくるみたいでしたので、熱いうちにお召し上がりくださいな。
(※1)道新スポーツ編『北の美酒めぐり』p,67(1997.10 北海道新聞社)
(※2)副島顕子『酒米ハンドブック 改訂版』p.30(2017.7 文一総合出版)
【お酒】2255.川鶴 純米吟醸 さぬきオリーブ酵母仕込み 300ml [37.香川県の酒:5+]
製造者 川鶴酒造株式会社
香川県観音寺市本大町836番地
品目 日本酒
内容量 300ml
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 58%
アルコール分 14度
(以上、ラベルより転記)
川鶴酒造さんのお酒やらリキュールやらは、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】2333.川鶴 福招く はっぴぃかっぷ
【お酒】2334.川鶴 開運 はっぴぃかっぷ
【お酒】2244.川鶴 極びえ冷酒 300ml
【お酒】2245.川鶴 極びえ冷酒 本醸造 300ml
川鶴 炙りいりこ酒 カップ(リキュール)
【お酒】2248.川鶴 銭形カップ
今日いただくこのお酒、
ラベルには、オリーブの木が描かれておりました。
ブロッコリーではありませんよ!
え?
オリーブの木って?
どうしてわかるのかって?
それはこのお酒が、
“さぬきオリーブ酵母仕込み”だから。
“さぬきオリーブ酵母”について、文献には以下の記述がございました。
今日はそれほど長くはないので、ご一読いただければ幸甚です。
「 清酒の消費量が漸減を続ける中,他県メーカーでは従来商品と差別化した新製品開発が盛んに行われている.特に,地域に生育する花等から酵母を分離しても清酒醸造を行う試みが多数報告されており,本県でも香川県らしい特徴を持つ清酒の開発が急務となっている.香川県の県花・県木であるオリーブは,約100年前に本県小豆島で初めて栽培が成功したことが知られている.このオリーブから酵母を分離して清酒を醸造することにより,香川県の特徴を前面に押し出した消費者イメージの良い新製品の開発が可能となる.そこで,本研究ではオリーブの実から醸造用酵母(Saccharomyces Cerevisiae)の分離を試みたので報告する.」(※1)
上記の記述にもあるとおり、通常、植物から酵母を採取する際は、その花や果肉から採取することが一般的です。
なぜならば、酵母の主食は糖だから。
そしてその糖があるのは、蜜を持つ花や、果肉だからでしょう。
しかし、この“さぬきオリーブ酵母”は、「多数のオリーブ果実の表面を綿棒でふき取り集積培養し(※1)」て採取したのだとか。
このことについて、同じ文献に以下の記述がございました。
「 一般的に蜜のある花や糖質の多い果実から酵母を探索する場合には,花や果実を直接培地に投入して集積培養する.しかし,オリーブの果実には酵母の栄養源となる糖質がほとんど含まれていない.」(※2)
また、後の実験で、オリーブの花から採取した酵母についても酒造特性を調べたそうです。
しかし、花から採取した酵母はアルコール生産能力が低く、腐造のおそれもあることから醸造用酵母としては向かないことがわかったそうです。
その後、オリーブの果実の表面から採取した酵母を培養し、アルコール生産能力が高いものを選抜育成して醸造試験をして、その中で最も優れた酵母(OY-4-2)が「清酒の味,香りのバランスが取れていた」(※3)とのこと。
そしてその「OY-04-2(ママ)株がもっともすぐれていたことから、同株を「KO-18株」と命名し香川県内の酒造メーカー4社に提供し,令和元年酒造年度(2019年7月1日~2020年6月30日;ブログ筆者追記)の清酒醸造から利用することとなった.」(※4)のだとか。
さぬきオリーブ酵母の素性がわかったところで、さぬきオリーブ酵母を使用して造られたこの川鶴をいただいてみたいと思います。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、少し着いていることがわかりました。
上立ち香はなし。
含むと、フレッシュな風味を感じます。
最初に酸味が来るね!
すっぱさが強めで鋭さを感じます。
かすかにスーですが、ピリはなし。
うまみはやや濃いめ。
米のうまみに厚みを少し感じ、どっしりとしています。
酒臭さ(ほめ言葉)も少しあるみたいです。
熟成感はなく、苦みや雑味は感じません。
キレはそれほどでもなく、残ります。
甘みはややひかえめかな。
存在はわかるものの、酸味に負けています。
爽快やや濃醇ですっぱ旨やや辛口のお酒でした。
吟醸酒にしてこの酸味は、かなり強めでしょう。
というか川鶴の普通酒では酸味はほとんど感じなかったのに、このお酒は突出しておりました。
ですがその酸味がフレッシュな風味と相俟って爽やかではありました。
キレはそれほどでもなかったようですが、これは純米だからでしょうか?
あたかも白ワインのような味わいのお酒。
それ故に、油を使った魚料理や、卵、チーズなどに合うのではないでしょうか。
普段の食事でいただくのは、ちょっと・・・。
そんなすっぱい川鶴純米吟醸さぬきオリーブ酵母仕込みと合わせた今日のエサはこちら。
うどんを食べたかったので、
秋田のしょっつるを使って、
しょっつる焼うどん。
焼うどんは、まちがいなくしょっつる味がいい!
卵4個。
昨今の安い卵は、どれも小さい!
出汁巻き卵(ねぎ入り)。
顆粒だしではなくて、出汁をちゃんととることが肝要!
風味豊かにいただくことができました。
ごちそうさまでした。
(※1)大西茂彦『香川県産オリーブからの醸造用酵母の探索』p.63(研究報告 第17号 p.63-64 2017.6 香川県産業技術センター)
(※2)(※1)p.64
(※3)大内茂彦・藤井浩子・立住千賀香『香川県産オリーブからの醸造用酵母の探索(第ニ報)』p.66(研究報告 第20号 p.65-67 2020.7 香川県産業技術センター)
(※4)(※3)p.67
【お酒】2254.國重 吟醸 300ml [37.香川県の酒:5+]
製造者 綾菊酒造株式会社
香川県綾歌郡綾川町山田下三三九三番地一
日本酒
吟醸
アルコール分15度
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール
精米歩合55%
内容量300ml
(以上、ラベルより転記)
綾菊酒造さんのお酒は、かつて【お酒】2338.綾菊 豆狸(まめだ)カップをいただいております。
今日いただくこのお酒は、
精米歩合55%のアル添吟醸酒。
銘は、“國重(くにしげ)”。
“國重”は、かつて綾菊酒造さんで酒造りを任されていた杜氏さんの名前らしい。
杜氏には2つの意味がありますが、こちらは杜氏個人、すなわち「酒造工の長として杜氏補佐以下を総括、蔵内の管理全般」(※1)を職務とする人、いわば“酒造りのリーダー”のことを指します。
このことについて、文献には以下の記述がありました。
「 地域社会,地域文化と共に歩むことを地酒の本分とし,地元の人々に愛飲される酒をひたすら醸し続けてきた綾菊ではあったが,今では全国に知られる銘酒となった。酒造期間ともなると,酒販店,料飲店はもとより,一般のファンまでが蔵見学に訪れる。注目を集めるきっかけとなったのは,昭和50年全国新酒鑑評会金賞受賞に始まる。難関であるだけに,一度でも金賞に輝くことは,杜氏にとっても蔵にとっても大変な名誉である。それが初受賞を機に昭和62年まで13年連続受賞という金字塔を打ち立てるに至ったのである。一人の杜氏が造り続けての受賞は他に例はない。蔵人の酒造りにかける限りない情熱と杜氏・国重弘明(広島県安芸津出身)の天才的な技とカンが一体となってこそ達成できた快挙である。」(※2)
話のネタが尽きたところで、いただきましょう。
吟醸酒ですので、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
香りは、盃に注いで鼻を近づけると、ごくかすかにフルーティな香りとアルコール香とを感じる程度です。
含むと、それをフワッと感じることができますが、やはり弱めです。
うまみはやや淡めでしょう。
でも、やや淡めなりに米のうまみに厚みを少し感じます。
熟成感はなく、酒臭さもなし。
ですが吟醸酒にありがちな苦みがあって、少しはっきりで鋭さも感じます。
キレはまあまあ、苦みと酸味(後記)とが残ります。
酸味はややはっきり。
すっぱさは強くはないものの、鋭さがありますね。
スーかすか、ピリはなし。
甘みはややはっきりでしょう。
それほど強くはなく、かつべとつかずさらりとしていますが、厚みを少し感じます。
やや淡麗でちょい苦ちょいすっぱ旨やや甘口のおいしいお酒でした。
香りはありましたがごくかすかで、食べ物の味とぶつからず、ちょうどよいくらいでした。
やや淡麗ながらも、米のうまみをしっかりと感じることができました。
ちょい苦ちょいすっぱがやや突出していたものの、お酒の味をうまい具合に引き締めているようでした。
ただ、アル添酒なのにキレがそれほどでもなかったのは些か残念でした。
まあでも、おいしいね。
食事と合うお酒でした。
スイスイと行けてしまい、あっちゅう間でしたとさ。
その國重吟醸と合わせた今日のエサはこちら。
冷蔵庫にあった油揚げ。
賞味期限は明日まで。
細ねぎと卵とで、衣笠丼の上だけ。
これはいつもの味。
さば水煮缶とピーマン。
しょうがも使用して、
愛知県の赤味噌を使って、
さば缶とピーマンとの味噌炒め煮。
これはおいしい!
特にしょうががいい感じに効いてくれました。
ごちそうさまでした。
(※1)灘酒研究会編『改訂 灘の酒 用語集』p.295(1997.10 灘酒研究会)
(※2)宇野啓子『<醸家銘々伝>香川県・綾上町 綾菊酒造』p.336(日本醸造協会誌 83巻1号 p.336 1988.1 日本醸造協会)
【お酒】2253.一本義 辛口純米酒 カップ [18.福井県の酒:33+]
製造者 株式会社一本義久保本店
福井県勝山市沢町一丁目三番一号
日本酒
原材料名 米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合 70%
アルコール分16度
180ml
(以上、ラベルより転記)
一本義久保本店さんのお酒は、これまでに以下の物をいただいております。
【お酒】1041.一本義 金印 カップ(2回目はこちら)
【お酒】1042.一本義 上撰 本醸造 カップ(2回目はこちら)
【お酒】1775.伝心 雪 純米吟醸酒 300ml
今日いただくこのカップ酒は、“辛口純米酒”だってさ。
それにしても、カップ酒のラベルのデザインが、以前とは変わりましたね。
それに蔵元さんのWebsiteを拝見するに、全量とまではいかないものの、純米酒の取り揃えが多くなったみたいですね。
品質表示はこちら。
16度台と、やや高め。
それではいただきましょう。
純米酒ですから、今日もぬる燗でいただきます。
お酒の色は、少し金色がかっておりました。
香りは、鼻を近づけるとかすかに酒臭い(ほめ言葉;以下同じ)香りと共に、アルコール香を感じます。
うまみは濃いめ。
最初に酒臭さが来て、けっこうしっかりしています。
次に熟成感が続きますが、荒さや角は感じません。
米のうまみは前には出てこないものの、じんわりと感じます。
一方で、苦みや雑味はゼロ。
しかもキレがよく、透明感すら少し感じます。
酸味はひかえめ。
すっぱさは最初はゼロで、冷めるにつれて少しだけ出るようですが弱めです。
ちょいスーですが、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
弱めですが、存在はわかります。
濃醇枯ちょいスースッキリ旨やや辛口のおいしいお酒でした。
枯れていましたが、けっしてペラペラではなく、うまみをしっかりと感じました。
それでいて純米なのにキレがよく、アル添酒のような透明感すら感じました。
しかも雑味はゼロ!
へー!
かなりうまいね。
でもかつての一本義ってもっと淡めで、しかも熟成感はなかったような気がするんですけれど。
方針を変えられたのかな?
【お酒】2252.梅錦 純米吟醸原酒 酒一筋 180ml [38.愛媛県の酒:30+]
製造者 梅錦山川株式会社
愛媛県四国中央市金田町金川14
品目 日本酒
アルコール分16度以上17度未満
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合 60%
内容量180ml
(以上、ラベルより転記)
梅錦山川さんのお酒は、旧ブログにて以下のものをいただいております。
【お酒】769.梅錦 媛 栄照カップ
【お酒】770.梅錦 上撰 栄冠カップ
【お酒】781.梅錦 純米大吟醸 カップ
2016年1月以来にいただくこの梅錦は、
“酒一筋”。
純米吟醸の原酒なんだってさ。
原酒ですが、度数は16度台とそれほど高くはないみたいでした。
それではいただきましょう。
純米吟醸ですから、冷蔵庫で冷やしたものをいただきます。
お酒の色は、ほぼ無色透明でした。
上立ち香はなし。
含むと吟醸香はないものの、アルコールの香りをややはっきりと感じます。
うまみはやや濃いめでしょう。
米のうまみに厚みを少し感じます。
熟成感はなく、酒臭さもなし。
それに苦みや雑味もまったくなし。
キレはよく、アル添あるいは山田錦のような透明感を伴います。
酸味はややひかえめ。
すっぱさはわかるもののかなり弱く、鋭くもないみたいです。
スース―ですけれど、ピリはなし。
甘みはややひかえめ。
弱めでべとつかず、さらりとしています。
やや濃醇でスース―スッキリ旨やや辛口のお酒でした。
梅錦は、普通酒はたしか、どっしりとした味わいだったと記憶しておりました。
ですがこの純米吟醸原酒は米のうまみそのもので雑味がゼロ。
この点が、吟醸酒たる所以なのでしょう。
一方で、けっこうなスースーで、かつアルコール香もはっきりしておりました。
これって、原酒である必要はあるのかな?
もちろん、“酒飲んだ感”は満載でしたけれど。